監督というものは、常に何がうまくいっていないかを探さないといけない。
私はブラシのようなもの。常にホコリをはらうことをしないといけないのだ。
2004-08-29 鹿島戦の試合後の監督会見にて
結局、結果を出したいい監督だからといって、
別のチームに連れてきても同じように力を発揮するとは限らないわけです。
例えば、私はアリーゴ・サッキがいる時のACミランの練習を見に行ったことがある。
アーセン・ベンゲルのいる時のアーセナルの練習も見に行ったこともある。
いろんな方法で、違うレパートリーでやっている。
参考にはなる。しかし、アーセナルの練習を見たからといって、
アンリと巻を比べることなんてできないでしょう。
向こうでできたことが、ここでできるとは限らないわけです。
それぞれの場所でやっていることなのです。
重要なのは自分の所にいる選手が何ができるかということを見ることなのです。
2005-11-25 月刊プレイボーイ 「PLAYBOY INTERVIEW」より3
サッカーは走らなくては成立しないスポーツなんだ。
監督には監督の視点があり、選手にも選手なりの視点がある。
だけど両者の考えがあまり開いてはダメなので、自分がやろうとしていることと、
選手たちができることをしっかりと分析してすり合わせる。
そのなかで選手たちに自由を与え、自分たち自身で試合をクリエートできるようにしてやる。
その過程で、選手たちを信じることが監督として一番大事なことだ。
2003-08-28 8月28日発売 sabra(015)の取材に応えて
トルシエはトルシエの、
ジーコはジーコの代表を作るわけで、
誰かが同じ流れを継ぐためにトルシエのイミテーションをしたって意味がない。
トルシエは規律規律で、
ジーコは自由を与えているように言われているけれど、
うわべはそう見えても実際はそんなことはない。
ジーコのチームも規律を守って選手を抑えている部分もある。
私は個人的にトルシエがどんな仕事をしたか知りませんが、
トルシエよりもジーコの方が大きな仕事をしたと思いますよ。
それは単純にW杯の予選を通過したという意味でね。
2002年は(W杯出場が)決まっていたわけだから。
トルシエはトルシエでいい監督だと思いますが、
タイプが違うわけですから。
一つのことをやっているからといって、
それをずっと続ける必要はないでしょう。
だったら監督が代わる意味はない。
ジェフ千葉はジェフ千葉で、浦和をコピーする必要はない。
横浜をコピーする必要もない。
自分たちの方法でやっているわけですから。
2005-11-25 月刊プレイボーイ 「PLAYBOY INTERVIEW」より2
監督を辞めたいと思ったこともある。
うまくいかなかったとき、がっかりしたときなど、よく考える。
クラブとのかかわり合い、選手とのかかわり合いで問題が生まれることもある。
大変なシチュエーションに陥ることもある。
選手が動かなかったり、やる気を見せなかったり。
でも2、3日考えて、別の仕事をしようかと思っても、
これ以上いい仕事はない、ということでまた始まる。
2004-05-04 週刊サッカーマガジン5/18号(973)コーチングイズマイライフより2
監督のあるべき姿は、一つに定義付けできない。
誰かのマネをして同じことをしても、優勝はできない。
一方、自分一人の力だけでやっていけるわけでもない。
選手や組織のことを考慮しつつ、それぞれの考えや個性を生かしていければいい。
2004-12-07 朝日新聞朝刊「オシムの提言」より
(いつかヨーロッパのクラブの指揮を引き受ける可能性について聞かれ)
「それについて語るのは難しいね。
ある時点で監督人生に終止符を打ち、残りの人生はサッカーを観戦しながら楽しむものだと思っていた。
しかしそれは不可能だ。一度でもサッカーに感染してしまった者は、永遠に(サッカーと共に生きることを)覚悟しなくてはならない。
例えばチーロ(ミロスラフ・ブラジェヴィッチ)。彼は決してサッカーと別れることはできないだろう。
ボビー・ロブソンをはじめ、どの監督にとってもそうだ。誰が(サッカーなしで)どれだけ耐えられるかだろうね。
拒否するのが難しいほどのオファーはもちろん存在するだろうが、そのようなオファーがイヴィツァ・オシムのためにも存在するというのかね?
私にはそんなオファーがあるとは確実には言えない。
ヨーロッパはとりわけ流行的な手法に傾きがちで、その流行の必要性を監督にも求めようとする。
ある監督がモードに遅れたとしたら、若い監督達が順を追って現れる。若い監督達はより真面目で、より寡黙で興味深い人間ではあるのだが、次第にアグレッシブな輩へと変貌してしまう。
私はいつも同じだけどね。」
2005-09-01 Sportske Novosti紙
市原の監督を引き受けたのは、
「あるものを生かして結果を残す」という自分のビジョンにあったからだ。
ここまで予算がなく、観客も少ないクラブだとはわからなかった。
しかし引き受けると決めたのだから、がっかりしている場合ではない。
「他にもっといい選手やチームはある」と言うのは簡単だ。
市原には実際、選手を買う資金などない。
しかし前向きに考え、進んでいきたい。
2004-10-19 朝日新聞朝刊「オシムの提言」より(2)
うちは、もったいない点の取られ方をしている。
なんでもないDFのミスで失点している。
こういうミスの代償は大きい。ただ、私は、この世でこうしたミスを全て直せる監督を見たことがない。
監督として、それは理解しなければいけない。
私よりいい監督を何人か見てきたが、選手は同じようなミスをしていたよ。
2004-05-09 名古屋戦後の監督会見で
監督は観客ではない。観客とは違う視点で試合を見ている。
選手たちもそれを知るべきだ。
新聞記者がいいプレーだと書き立てたり、観客が拍手しても、
監督は別の視点から見ている。
正直、記者の皆さんやサポーターといった第三者的な立場の人は、
監督よりも物事を正しく見ているのかもしれない。
なぜなら観客席の上のほうから見ているのと違い、
私はベンチで平面で見ているだけだからね。
だけど、
監督のほうが正しいというときもあるということを覚えておいてほしい。
2005-07-08 UNITED No.125 特別インタビューより